アロマセラピーについて

【アロマセラピーの定義】

アロマ(Aroma)は「自然の良い香り」、セラピー(Therapy)は「治療法」を表します。なので、「芳香療法」と訳されます。この場合、芳香は動物性のものや人工的に合成されたものは除き、植物から抽出された100%天然のものに限られます。

 

アロマイメージ①.jpg

 

 

【フランス発祥の芳香療法】

フランスのアロマセラピーの特徴はメディカルアロマセラピー(医学アロマセラピー)が取り組まれ、医師が患者を診断しエッセンシャルオイル(精油)の処方が下され、それを薬局に持って行くと薬剤師が調剤します。通常エッセンシャルオイルは内服は禁じられていますが、フランスでは医師の厳格な管理のもとで患者に内服させています。目的も香りの作用を活用して心に働きかけるアプローチよりも抗菌力を活用して感染症に用いることが多いようです。アロマセラピーの対象者は半病人ではなく病人で、スイスやベルギーのフランス圏でも同じような取り組みが行われています。

 

 

【イギリス】

イギリスのアロマセラピーの特徴は医療面より、リラクゼーションを目的としたオイルマッサージ中心となって普及しました。アロマセラピーを行うのは医師や薬剤師ではなく、アロマセラピストと呼ばれるスペシャリストが行っています。現在では、アロマセラピーを行うフランスやベルギーの医療関係者と教育面での交流が進み、イギリス最大の病院ロイヤルフリーホスピタルでは補完療法として医療面での取り組みも行っています。

 

 

massage-4916847_640.jpg

 

 

【日本】

日本のアロマセラピーは医療的な面よりもエステティックサロンやリラクゼーション施設などでの美容法やストレス解消法としての取組みから普及がスタートしました。1990年頃から一部の医療従事者や研究者の目に留まるようになり、エッセンシャルオイルの持っている様々な働きが科学的に検証され、学会レベルの発表も相次ぎました。科学的な実証という点では日本の研究レベルが大変優れていて、香りの脳への伝達の仕組みや自律神経系・内分泌系・免疫系への作用などの分野で世界をリードしています。日本認知症予防学会の理事 浦上克哉教授(鳥取大学医学部)は認知症予防のアロマ(昼用:ローズマリーカンファー+レモン、夜用:トゥルー・ラベンダー+スィート・オレンジ)のブレンドを学会で発表されました。

 

263897.jpg 

 

 

【一般的なアロマセラピー】

主にリラクゼーションや香りを楽しむことが目的で、アロマディフューザーやアロマストーン、エアーフレッシュナーを使って香りを楽しみます。これは、使用上の注意さえ守れば、誰でも安全に楽しむことが出来ます。

 

natural-cosmetics-4004908_1920.jpg

 

 

【メディカルアロマセラピー】

精油が持つ薬理効果を皮膚疾患、伝染症疾患、神経性疾患の治療に役立てたり、自然治癒力を高め心身を健全な状態へと導くのを目的で用いられます。精油学、基礎医学、心理学など専門知識を身に着けた人のみが扱えます。香りが脳に直接作用するメカニズムが医学的に解明されるにつれ、西洋医学では太刀打ちできなかった、治りにくい予防しにくい様々な疾患の画期的な治療法として、医療や福祉の現場を中心にメディカルアロマセラピーへの期待が高まっています。最近では、婦人科領域や癌患者への終末期医療としてアロマセラピーを取り入れている医療施設が日本で増えてきています。

 

【こんな症状に有効】

  • 風邪や花粉症での鼻づまり・咳などの症状
  • 痛みや炎症、胃や腸の不快感
  • 気持ちの浮き沈み、身体のだるさや疲労感
  • 女性特有のホルモンバランスの崩れによる不調
  • 不眠、過眠などの睡眠障害
  • 老化に伴う意欲の低下や認知障害

 

【オイルマッサージのメカニズム】

植物油で希釈した精油は皮膚の表面から経皮吸収され、毛細血管やリンパ管に入り全身を巡る循環に乗ります。例えば、10分間腹部をマッサージし、その直後に腕から血液サンプルを採取すると精油成分を確認することが出来るそうです。マッサージをして90分後には殆ど血液中から無くなり呼気・尿・汗などとして体外に排出されます。

 

【オイルマッサージの効用】

<心への作用>

興奮したり反対に落ち込んでいる人にマッサージを行うと次第に心が落ち着きを取り戻します。皮膚は脳の神経の終末でもあるため皮膚に触覚刺激を与えることで、心の状態にアプローチすることができます。また、タッチセラピーは「オキシトシン」という『別名:幸せホルモン』を分泌させ癒す力があります。

 

treatment-1327811_1920.jpg

 

<血液、血管への作用>

ストレスによって心身が緊張し、血管が収縮すると身体の隅々に血液が滞った状態になります。このような時にマッサージを行うと、タッチによって緊張がゆるみ血管が広がり血液循環を回復することができます。その結果、身体の隅々にまで栄養と酸素が運ばれ、新陳代謝を高めることができます。物理的な刺激によって血管が丈夫になり高血圧・動脈硬化・虚血性心疾患の予防になります。

 

<リンパ液、リンパ管への作用>

身体の隅々で生じる老廃物や痛み物質を回収するリンパ液は身体の中の下水道システムとも言えます。リンパの流れが滞ると痛みや浮腫み(むくみ)となって表れます。マッサージによって、これらを物理的に押し戻してリンパ節へと送り込み、静脈に回収させることができます。また、リンパ液は免疫を司るシステムでもあります。

 

<筋肉・関節への作用>

筋肉は刺激が強すぎると組織が損傷を受けますが、刺激がまったく無くても衰えてしまいます。適度な刺激を繰り返し与えることで筋肉を強化することができます。また、運動の結果、生じた乳酸などの疲労物質や痛み物質を早く除去することができます。関節についても可動領域が拡大して関節炎や外傷の予防になります。

 

<免疫への作用>

マッサージによる皮膚への心地よい刺激は、精神神経免疫学的に免疫能を高めることが知られています。また、皮膚の表面にあるガンマデルタT細胞を刺激したり、温めると免疫能を高めることが分かってきました。

 

先に「オイルマッサージのメカニズム」にも書きました通り、精油成分は経皮吸収して体内を循環しますから、EKLAMでは高品質なロバート・ティスランドとフロリハナの精油を使用しています。流通ルートや産地が不明確な精油原料をしていた業者の場合、ラベンダーと称してラベンダーに似せた香りの合成香料を使用している可能性もあります。合成香料は、環境ホルモンの恐れがあり長期間体内に残留し、人体に悪影響を与える可能性がありますので、精油を購入する際はご注意ください。